先ずはその前に、ニット帽子には大きく分けて2種類の形があることを皆さんはご存じでしょうか?
一つは「ワッチキャップ」で、その主な特徴としては折り返しがあるニット帽と言えばわかりやすいでしょうか。皆さんがニット帽と聞いて、最初に想像される代表的な形です。
「ワッチキャップ」は元々海軍の船員が監視する際に防寒としてかぶっていたニット帽であり、監視する、つまり「WATCH」する際に着用したことからワッチキャップと呼ばれるようになりました。
一方、もう一つの「ビーニー」ですが、わかりやすく言うと折り返しのないニット帽。そう聞いて、ストリート系のブランドやアーティストなどを連想される方が多いのではないでしょうか。
こちらは「ワッチキャップ」に比べると歴史は短く、誕生は1900年代初頭という説があります。
さて、その2種類あるニット帽なのですが、かぶりこなしが比較的簡単な「ワッチキャップ」に比べて、「ビーニー」はかぶり方を一つ間違えると決していい見栄えにはなりません。
つまり、「ビーニー」にはかっこよくかぶるコツがあるのです。
そのコツというのは、ニット帽の本体自体を後ろに手でぐっと引き寄せて、後頭部にボリュームを出すというものです。
これによって、後頭部にボリュームができ、頭の形がよく見え、顔も小さく見えるのです。
しかし、そのかぶり方はまだまだ一般には浸透していないため、街中でも間違ったかぶり方をしている人を見かけることが多々あります。
下の画像で、普通にビーニーをかぶった時と、後ろにボリュームを持たせた時を比べてみました。
皆さんはあまり自分の横顔を見る機会は少ないでしょうが、これほど差が歴然としてあるのです。
コツは少し面倒だけど、ひと手間かけることによってかっこよく見える「ビーニー」が流行りだした20年ほど前、それならばと、MANIERAは誰もが簡単にかぶりこなせる「ビーニー」を開発することとなりました。
すべては「もっと多くの日本人を素敵にする」という目標のためです。
先ずは最初から後頭部にたるみを作るように、当時最新のニット編機であった「ホールガーメント」を使って試編みをしたり、ギャザーを入れてみたり、ゴム糸を混ぜて自然にたるみができるようにしたりなど試行錯誤を繰り返しました。
しかし、どれも上手くいきません。ニットは布帛とは違い、糸の太さや糸調子、機械との相性など、とても繊細なのです。
中々前に進まず、ニット職人とどうしようかと思い悩んでいた時、古い手法で「引き返し編み」という編み方があることを知りました。
これはニット用語でいう「度目」という編みの強弱を、自在に指定した場所に付けられるということでした。
元々はセーターを作るうえでどうしても必要な技法ですが、たるみを作るという目的で採用することなどありませんでした。
「温故知新」昔からある技法を、その発想の転換で新しいアイテムに生まれ変わらせたのです。
試編みを行くとどなく繰り返し、それでもやっと納得のいく編地が完成しました。
ところが、別の問題が発生します。
「引き返し編み」をすると、裏側の編み目が乱れるため、かぶり心地が今一つなのです。
そこで、裏側にシンプルな浅いビーニーを作り、表の「引き返し編み」とリンキングすることにしました。
2つのニット帽子を作り、裾でドッキングさせたのです。
こうして遂に、かぶり心地とかぶりやすさが兼ね備わった、全く新しい観念のビーニーが完成しました。
試作品を手にして、その立体的な後ろ部分のたるみを見たときに、「立体=3D」という単語が自然と浮かんできました。
「3Dビーニー」の誕生の瞬間です。
それから18年という長い月日の間、3Dビーニーは根強いファンを持つ、MANIERA最大で最強のロングセラーとなりました。
大手セレクトショップにも並び、裏地を引っ張り出してディスプレイしたことから通称「BIG FOOT」と呼ばれ、当時は話題を集めました。
更に、素材も秋冬のキャッシュウール(カシミヤのような風合いのウール)やカシミヤから、春夏のスビン(超長綿)やアイリッシュリネンを使用したものまで、四季を通してかぶれる定番へと成長したのです。
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